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 2017.03.03 UP DATE
「井上洋介没後1周年大誕生会」460点余りが壁を覆い尽くす。


地下への階段を降りると壁一面にタブローが埋め尽くされている。460点。ともかく圧巻。
しかもひとつひとつが予想以上に大きくてものすごく描き込まれている。
まあ前代未聞。大変な会場でしばらくうなされそうです。



大きな作品を搬入して展示するだけでもえらい苦労ですが、
開場にこぎつけた感慨は「作品をみる」vol.64土井さん自身のおしゃべりでお聞きください。



1988年渋谷パルコギャラリーで、井上洋介の画集「電車画府」発行記念に展覧会がひらかれた。
私はその飾り付けを手伝った、手伝ったと言ってもちゃんとギャラリーのスタッフが何人もいて、
ただただ私はうしろで飾り付けを眺めていたということである。
まずは作品をキレイに間隔をおいての飾り付けが始まったが、
途中まで来て井上洋介は井上洋介のスイッチが入った。私にはそう見えた。
少しでも空間があれば井上はそこにはまるような小品を探して飾るように指示をだす。
大作のうえでも隙間があればそこにも飾った、挙げ句の果てには小品であっても上の方に
空間があれば飾るように指示をした。見にくくてもかまわない、
とにかく持って来た作品は全部飾る、いや掛ける! それは飾るというより掛けるという感じだった。
三段掛けはあたりまえ、というのがあの場の井上洋介であった。
私はうしろからそんな井上をとても面白がって見ていたような気がする。こんなのもあるのだ。
そしてあの広いパルコギャラリーが、井上洋介の濃密なパラダイスになった。
私はあのパラダイスが忘れられない。もう一度あれを見たい。
これはあの展覧会が終わった直後からの夢で、井上が亡くなったあとではできないだろうと
あきらめていた。でも画集をつくるといういきさつで、やることになった。
市川の井上洋介家には沢山のタブローが残されている。
できればその全部をお見せする気持ちで、新宿大京町のアートコンプレックスセンターへ運ぶ、
そして延べ100メートルもある地下大ホールの壁に掛ける。井上洋介のタブローを掛ける。
パルコギャラリーとの違いは、制作年順に並べてほんの少しでも
井上洋介というタブロー画家としての全貌をさぐる、といった嗜好である。 トムズボックス 土井章史

「井上洋介没後1周年大誕生会 第2回トムズボックス社運をかける企画」
2017.3.3(fri)-3.12(sun) 11:00-20:00(月曜休館/最終日も17:00まで)
アートコンプレックス・センター B1F artcomplexhall
〒160-0015 東京都新宿区大京町12−9
入場料 600円(高校生以下無料)

井上洋介
1931年3月7日東京赤坂生まれ。2016年2月3日没。
幼い時から絵描きを目指す。
武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)の学生時代から雑誌などに漫画を投稿。
それらの漫画が小島功、長新太などの漫画家の目に止まり独立漫画派に参加。
1960年に初めての絵本「おだんごぱん」を手がける。
1963年に私家版漫画集「サドの卵」を上梓。
1965年に一連のナンセンス漫画で第11回文藝春秋漫画賞を受賞。
1969年には「くまの子ウーフ」の挿絵を担当。受賞歴多数。
絵本、挿絵、漫画となりわいとしてきたが、タブロー作品は1950年代から亡くなる2016年まで、
大きな発表の場もないまま連綿と描きつづけてきた。

「作品をみる」vol.62.63 で展示作品の一部と土井さんのfacebook を掲載しています。





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 2017.02.03 UP DATE
トムズボックスを締めくくった長新太の余韻。
2016.10.1〜11.30.没後10年「長新太の脳内地図」展:ちひろ美術館東京他。


1995年「ゆうちゃんとへんてこライオン」・2016年「これが好きなのよ 長新太マンガ集」

トムズボックスが22年間の幕を閉じようとしていた2016年、
没後10年ということもあって、長新太の作品が改めてクローズアップされました。

”2000年に作った「くもの日記ちょう」っていう絵本は、私小説的な、自分が雲で世界を遊んでる
みたいな、ちょっとアナーキーで僕は孤独だ。でも僕は自由だ。っていう気分が大好きです。”
”大学時代バイト先の編集プロダクションで出した「昭和漫画大図鑑」で
長さんや井上さんの一枚絵が目に焼きついちゃって、自費出版本を集め始めたら止まらなくなって
商業出版に流通しない絵本の世界にはまったんです。”

長 新太(ちょうしんた)
1927年東京生まれ。蒲田工業高校卒業。
「おしゃべりなたまごやき」で文芸春秋漫画賞、国際アンデルセン賞国内賞
「はるですよふくろうおばさん」で講談社出版文化賞受賞。
ユーモラスな展開と不条理な筋立てによる「ナンセンス絵本」と称される数多くの絵本を描き、
「ナンセンスの神様」の異名をとった。また、エッセイなどの分野でも活動した。
1948年東京日日新聞の漫画コンクールに応募した、ロングスカートを題材にした4コマ漫画作品
「ロング狂」二等入選。掲載の時に本人に無断でペンネームが「長新太」と名づけられた。
「ロングスカート」で「長」、新人の「新」、図太く行けとの願いを込めて「太」という。

"長さんを本当に理解するのは、子どもだけかもしれない。これには負けちゃいます。
でも希望は捨てません。
だってぼくの中にも子どもの時代のぼくがどこかにひっそりといるのですから。
土井章史編集「長新太〜ナンセンスの地平線からやってきた」はじめにより

トムズボックス最後を飾った貴重な作品。これまで展示されてきた貴重な描きおろし作品と
土井さんの長新太への想いは「作品をみる」でおしゃべりでも聴けます。



event
 2015.12.28 UP DATE
トムズボックスにぎやかにフィナーレ。


2015年12月28日。トムズボックスはカウントダウンに向けて大混雑していた。
飯野和好・荒井良二・本秀康・どいかや・100%ORANGE etc。
ゆかりの人気作家もこの書店を愛したたくさんのファンもスタッフもみんなが和気藹々笑顔でおしゃべりの輪を広げながら、22年の時間をいとおしんでいる。
絵本が好きで、絵本にのめり込んできた土井さんを囲むほのぼのとした時間。
20時閉店をすぎても名残を惜しむ人々の集いは続いた。どこまでも明るくにぎやかに。
トムズボックス、土井さんおつかれさまでした。そして、ありがとう。

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 2015.12.14 UP DATE
ラスト「長新太展覧会」大盛況。人気作家サイン会も続々。
最後の展示「長新太大展覧会」はオープン初日開店前に行列ができる程の人気で
大小60点以上の作品が飛ぶように売れて、10/11月に続いて完売の勢い。
22年間、絵本一筋のお店への愛着を持つお客様の熱気は毎日やむ事がない。

作家の人達の哀惜の念も強く、今月は毎週のように人気作家のサイン会が目白押し。
12.4(sat).14:00~  及川賢治(100%ORANGE)
12.11(sat).18:00~  スズキコージ
12.18(fri).17:00~  飯野和好
12.19(sat).16:00~  荒井良二 
  12.28(sun)14:00~  酒井駒子

トムズボックスの店は、この長新太の展覧会で閉店します。
なくなるわけではありません。相変わらず土井は絵本の編集をし、ワークショップも
続けます。場所を変えて絵本の古本屋をやるという噂は、噂ではありません。
やろうと思っておりますがいい物件がみつかるかどうかわかりません。
せめて12月はできるだけ店に貼り付こうと思っております。
長さんの絵を見がてらトムズボックスという店も記憶のどこかにとめておいて
いただければとてもうれしいことです。  土井章史

長新太展覧会:2015.12.1(tue)~28(mon) 正午〜午後八時/木曜定休
「作品をみる」vol.61 では長さんの作品をご覧いただくのとあわせて
土井さんのおしゃべりが聴けます。

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 2015.11.01 UP DATE
11月はたむらしげる展覧会「Puzzle Moon」
今回から「土井章史おしゃべり絵本の話」が始まります。


むかし描いた下絵などを引っ張りだして、彩色したり、描きたしたり。
本書きより手間が掛かってしまったりして・・・・。
目新しいものはありませんが、気軽に見にきてください。 たむらしげる
2015.11.1(sun)~11.30(mon)  12:00~20:00(木曜定休)

1993年4月に吉祥寺の現在の位置にトムズボックスは店を構えました。
当時は現在の3分の1の広さでした。
でも狭いながらもギャラリーを併設し単なる絵本の店ではないことを主張しました。
また置いている絵本も好きな作家のもののみと、とても高飛車な事をやってきました。
代表の土井は、店以外に絵本の編集とワークショップなどをやっておりまして、
この20年強のあいだはつねにアップアップ右往左往しておりました。
お客さんや作家や版元にも多くの迷惑と不義理を重ねてきました。
不備が生じてもただただ「すみません」と謝りまくり、その状況をしのいできました。
このままこの状態をつづければ、どこかが狂ってしまうかもしれない。
これ以上迷惑はかけたくないというきれいごとではなくて。この店を今年いっぱいに
してしまおうかと考えるにいたりました。(中略)
長いお付き合いいただいてきたトムズボックスのスタッフは解散することとしました。
土井ともどもこれまでのご愛顧、本当にありがとうございました。
                     2015年8月 トムズボックス土井章史

22年間、吉祥寺の小さな絵本屋さんとして、ユニークな活動とコアなファンを生み出し続けてきたトムズボックスは、2015年12月を持って店じまいします。
ひとつの吉祥寺文化の気分少しでもつないでいければという思いで。
今月からこの「トムズボックスギャラリー」は「土井章史の絵の話・本の話」という
本人のおしゃべりとコレクション作品紹介という形でリニュアルしていきます。
お楽しみいただければ幸いです。
まず、新装第1回は「作品をみる」vol.60で「たむらしげるさん」のご紹介、です。

壁には井上洋介作品も展示されています。
1996年井上洋介の巨大画集を作ろうという企画が持ち上がりました。
それには絵をつけて売りましょうということになり、A2サイズで20ページ限定の絵付
画集ができあがりました。その時の絵です。絵付で2万円(税別)です。会場販売。
information
 2015.08.01 UP DATE
22年に渡る「ちいさな展覧会」ほんの一部をPLAYBACK。


展示は必ず自分でやる。
2012.7.
毎年恒例荒井良二の小さな展覧会
「どこまでだっていつまでだって」

わすれないよ わすれないよ
わすれないんだ わすれないんだ
わすれようとわすれてみたが
わすれないんだ わすれないさ 
わすれないさ
わすれませんよ わすれませんよ
どこまでだって いつまでだって。

ポストカードの本人メッセージも
愉しみのひとつでした。
メッセージはそれぞれの
画像をクリックして見れます。
また、荒井良二作品は
クリエーター館でご覧ください。


2012.5.スズキコージの聖なる野獣展。
点数40点以上。最近ハマっているバスター・キートンも観てください。



2014.5.望遠で視る旅「望遠〜NAKABAN EXPO」
ほとんど毎回、展示会場に登場した作家の皆様とお客様の交流も大きな財産でした。



2012.4.片山健「水彩小品展」
2014.10.ひたすら細部までこだわった瀬戸照によるボールペンの細密画。



2014.3.人気を集めた及川賢治(100%ORANGE)個展「美少年の美」の回。

トムズボックス自主出版にも逸品が多い。
寺門孝之「belle」儚き美女の饗宴。 井上洋介「昭和幻灯展」小さな豪華装釘本。



たむらしげる「Silhouette」 /和田誠「41頭の象」 購入は画像クリックでOK。

interview
 2011.01.15 UP DATE
自費出版の絵本の魅力に取り憑かれて
気がついたら絵本編集者になり、絵本屋店主になっていた。


"学生時代に編集プロダクションでバイトしてそのまま入社したんですが
古書趣味を続けるうちに自費出版のマンガ本が面白くなっちゃった。
長新太、井上洋介、東君平、片山健、スズキコージといった人達ですが
この作家達の絵本がまた素晴らしい。
それで「メリーさんの絵本」というシリーズをやらせてほしいといったらOKが出た。
遊びの延長で作家と一緒に作り始めたのが編集者の始まりですね。”

吉祥寺で始めた絵本専門店トムズボックスの一番の特徴は
店主の好きな本や作品を絵からのアプローチで選んでおいている事。
「良い本」だけではみつけられない「ホントにおすすめしたい本」に出会えます。



想い出の深い二冊が
長新太「くもの日記ちょう」:ビリケン出版/1600円+税
井上洋介「ぎゅうぎゅうどうぶつえん」:芸術新聞社/1800円+税
エピソードは「作品をみる」のvol.1とvol.2で本人のおしゃべりと一緒にお楽しみください。

主宰土井章史(どい あきふみ)
1957年広島生まれ。トムズボックス代表
絵本のフリー編集者として、これまで偕成社・文溪堂・学習研究社・あかね書房・
ポプラ社・ビリケン出版等で200冊以上の絵本を企画編集している。
また、絵本ワークショップ「あとさき塾」を小野明と運営し、新人絵本作家を発掘育成している。
 1993年 吉祥寺に書店トムズボックス開店。
2015年12月 閉店。
トムズボックスのオフィシャルサイトは下画像をクリックしてご覧いただけます。



トムズボックス個展オリジナルポストカード「和田誠」「スズキコージ」



 
 profile
TOM'S BOX
トムズボックス は土井章史の
長新太・井上洋介との出会い
から始まる。



2017年
「井上洋介獨画集 1931-2016」
タブロー画260作を3つの時代に
分けて掲載し、井上の画家としての
核となる表現に光をあてる。
種村季弘のエッセイや
草森紳一との対談も収録。
日英2カ国語表記。オールカラー。
編集: 土井 章史



絵本作家として広く知られている
長新太デビュー時マンガ家として
週間金曜日誌上で連載され
2006年トムズボックスで単行本化
された「マンガ童話」。

不条理でナンセンス
4コママンガらしからぬ展開
あらぬ方向へ話が転がっていく
不思議な作品群。

数少ない長新太の「マンガ童話」
ほぼ最後の原画1点購入は
⇧画像をクリックしてどうぞ。





敬愛する長新太に関しては
トムズボックス自主制作本も多い。
「月と10セント」
「がんまとえへ」
編集をてがけたり文章依頼も。

長新太―ナンセンスの
地平線からやってきた



別冊太陽234「長新太」





開店時のごあいさつ
トムズボックスは吉祥寺の片隅に
あるとても小さな絵本屋さんです。
でもとっても作家にこだわっている店なのです。

トムズボックスが大好きな作家は
長新太さん、井上洋介さん、
片山健さん、スズキコージさん、
荒井良二さんなどで、
これらの 作家の絵本はできるだけ
あつめて売っています。
店のアイデアは吉田カツ。
シンボル看板を作ってくれたのは
井上洋介さん。


たくさんの新人作家を生んだ
もうひとつの+ギャラリー。

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過去5年間の個展のアーカイブは
⇩の作品をクリックするか
「作品をみる」で展示作品を
ご覧いただけます。


長新太「なにがでるのか展」

井上洋介個展「0号」

どいかや「野花のこたち」

荒井良二「またこどもる」

nakabanわすれがたり/岸辺

スズキコージ
一緒に行こうぜ!どこまでも

片山健「水彩小品展」

及川賢治「ダゼ・クレヨン」

和田誠「ひとコマ漫画展�」

植田真個展「旅路の音楽」

西村繁男「あからん展」vol.37

長新太「カラーの仕事」vol.36

飯野和好「土手の思案」vol.35

宇野亜喜良「小さな世界」vol.34

どいかや/どうぶつと花vol.32

荒井良二の小さな展覧会
「foreverやろこ」vol.31  

ナカバン展覧会
まばたきの風景vol.30

スズキコージ奇妙奇天烈東京展
vol.29

及川賢治(100%ORANGE)
「草があって木があって」vol.28

山口マオ小品展vol.26

長新太大展覧会vol.25

和田誠「24頭の象」vol.24

スドウピウ小品展vol.23

井上洋介展vol.22

川上隆子小品展 vol.21

荒井良二の小さな展覧会 vol.20
ちるどれんあー⇒(在るこども)

ナカバン町から町へはvol.19。

片山健展はvol.17で。

100%ORANGE個展はvol.16

宇野亞喜良古い手紙展はvol.15

森英二郎作品はvol.14

長新太作品はvol.13

たむらしげる作品はvol.12

井上洋介作品はvol.11

こみねゆら作品はvol.10

どいかや作品はvol.9

ナカバン作品はvol.7

スズキコージ作品はvol.6

片山健水彩小品展/作品はvol.5

第13回日本絵本大賞受賞
及川賢治個展/作品はvol.4 

本秀康展/作品はvol.3

「作品をみる」vol.1は長新太
vol.2は 井上洋介への想いを
土井さんが語っています。

トムズボックス謹製
和田誠ピンバッジジャズシリーズ
2016年10月7日 復刻
6セット3000円+税+送料140円
注文の方は下記画像で。