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開館5周年記念展「横尾忠則の冥土旅行」ついに開催。 |

2017年《キャベツの女》 1996年《天の足音》広島市現代美術館寄託作品
「人は死んだらどこへ行くのか?」とは、 いずれ死にゆく私たちが抱かずにはいられない謎に満ちた疑問です。 「死」を自らの重要なテーマと位置づけ、 様々な死のイメージを作品に投影してきた横尾忠則が、 グラフィックデザイナー時代から現在にいたるまで一貫して関心を持ち続けたのも 「死後の世界」のあり方でした。
西洋文学の傑作・ダンテの『神曲』において、 主人公ダンテは生きながらにしてあの世へと迷い込み、 地獄・煉獄・天国の光景を目にします。 1970年、横尾が雑誌『平凡パンチ』誌上に発表したヌード写真には、 この『神曲』のイメージが重ねられ、19人の裸の女性たちによって 展開される様々な場面が異境的な情景として映し出されました。 また、96年から始まる「赤」の絵画シリーズでは、 横尾が少年時代に見た空襲で真っ赤に染まった夜空を原風景としつつ、 此岸と彼岸、日常と異界とが画面を覆う赤い色彩によって結びつき、 見る者の意識を世界の「向こう側」へと導きます。 そして、最新作である女性のポートレート・シリーズにおいては、 描かれた女性たちは顔の一部を 石や蛙やキャベツといったオブジェによって唐突に覆い隠されることで、 実体を失った不可解な存在として私たちの前に現れるのです。
本展は、横尾の作品を通じた死後の世界への冒険旅行です。 横尾はつねに死後の世界を想像し、 「死の側から生を見る」ことで、自らの生き方を見つめてきました。 こうした横尾のまなざしを、作品世界を通して追体験する場となれば幸いです。
兵庫県政150周年記念事業開館5周年記念展「横尾忠則の冥土旅行」 2018年2月24日(土) 〜 2018年5月6日(日) 横尾忠則現代美術館 「作品をみる」vol.5で一部をご覧いただけます。 詳細は下記画像をクリックしてご確認ください。ポスターデザイン:横尾忠則
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