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 2009.10.01 UP DATE
会田誠ギャラリートークは活気に溢れている。
場所は上野の森美術館。ギャラリートークの開始時間が迫ってくると、
大作「大山椒魚」(「作品をみる」に掲載されていますのでご覧ください。)の前に
大勢の来場者が続々と集まってくる。
さほど大きくない空間に200人以上が集まってギュー詰め状態。
日本現代アートの最先端を走るアーティストの登場を、目を輝かせて待っている。
待ちに待った、登場第一声は「僕は山口君(共同で作品展を開催している)のように
落語家のような話芸はないので、淡々と作品の説明をしていきますね」。
ラフな服装と素朴な話し方に、観客全員が一気に引き込まれ、美術館とは思えない
和やかな雰囲気を一瞬で作り出してしまう。
ギャラリートーク中で展開されたのは展示作品の制作秘話。
本人の口から話される貧乏話は楽しい。学生時代の作品を当時のエピソードを交え、
どんなことを考えて作品を制作していたのか、美術界について
どんな想いを抱いていたのかを語る表情にみんな引き込まれている。
大量の漫画を貼り付けたベニヤ板に、剣が突き刺された女性とドレスで着飾った女性を
対比的に描き、屏風状に仕上げた作品『無題(通称まんが屏風)』については、
「“処女作に全てがある”という言葉がありますが、今の僕の作風、活動の萌芽という
意味では、一番最初に発表した『菊』という作品よりも、こちらのほうが処女作と
いえるのではと思っています」という言葉が印象的。
2階には壁一面に巨大な『万札地肥瘠相見図』。全員がその迫力に圧倒されるなか、
「いい意味でなんの説明も要らない作品です。表面に見えるもの以外の裏の意味など
何ひとつありません。僕はそういう形態のほうがいいなと思っているんです。
タイトルは偉そうですけど、『一万円札をバックにぶよぶよして太ったものと、
がりがりの痩せたものが出会っている絵』という状態を説明しているだけ」と、
わかりやすくアートに対する考えを披露してくれるのもまた会田誠の魅力なのだ。
 
大作満載、直球勝負の「絵バカ」展。
僕の特徴は、あえて自分のタッチを確立していないこと。
自分のオリジナルタッチがない、
      一種のパロディ的な作家だと考えています。
会田誠ギャラリートークは活気に溢れている。